介護記録が紙ベースから電子化へ

介護記録を学びたいあなたへ 介護記録について学びたい介護士に向けて、書き方のポイントやシーン別の例文などを紹介しています。苦手意識がある人も、当サイトを参考にすればスムーズに介護記録を書けるようになります。

紙ベースから電子化へ

紙ベースから電子化へ

ICTの活用に前向きな姿勢

定期的に行われる介護報酬改定の中で、これまで検討され続けてきた介護記録の簡素化、効率化に向けたICTの活用に向けた動きが大きくなってきました。業務負担の軽減を目的に大幅な見直しが行われ、介護業界全体で介護記録にICTを導入し電子化する動きが加速しています。

これまでは紙ベースの書類が多かった

介護サービスを提供するために必須の介護記録を残す際にICTを活用した介護記録ソフトを用いて電子化する案は以前から検討されていましたが、実際には紙ベースで残しているケースも少なくありませんでした。特に、ケアプラン、介護計画書、契約書、重要事項説明書などは署名捺印を必要とする場合が多く、紙媒体を原則としています。これらの書類は介護サービス利用時には必須であり、サービスの利用期間あるいは終了後の一定期間は保存の義務があります。

電子化への流れが強まっている

しかし、令和3年度の介護報酬改定において、ケアプランや介護計画書などの署名捺印が必要な書類に関しては原則的に電子化での取り扱いを容認する方向で検討が進められることになりました。これまでは利用者やそのご家族による署名捺印が必須で、それがなければ無効とされており、書類の保管方法に関してもルールが定められていました。その他にも、事業所の運営規定や個人情報保護方針について紙媒体で提示する必要があるなど、細かい規定が設けられています。しかし、契約書類やそれに準ずる書類は枚数が多く書類作成から保管などの事務作業における負担が大きく、介護現場を圧迫しているという課題がありました。介護業界は人材不足が深刻化しており、課題解決に向けた取り組みが求められている状況です。
そこで大きな効果を発揮するのがICTやAIなどのITテクノロジーの導入です。特に介護記録に関してはかねてより電子化の導入が求められており、この度の介護報酬改定で大きく前進しました。タブレットやスマートフォンを用いて内容を説明することが可能で、事業所内に掲示していた書類に関してもデータで管理して構わないという方針を示したのです。自治体ごとの解釈によるルールの違いも、電子化されたデータの取り扱いを原則として認めることで大幅に解消されます。
このように、介護記録やその他の情報をまとめた書類は紙ベースから電子化に移行していくでしょう。その都度手書きで残していた介護記録が電子化することで現場の負担は大幅に軽減されます。また、情報共有が容易になり、質の高い介護を提供することができます。